こどもたちの中では一瞬かもしれない「つくりたい時期」

11月から、大人のこどもアートスタジオを始めました。

ありがたいことに、ポツポツと予約をいただいています。

内容は、こどもアートスタジオとほぼ同じ内容なのですが、みんな久しぶりの体験が新鮮なのか、とっても楽しんでくれています。

大人のこどもアートスタジオを始めたきっかけは、10月から正式に一緒にずこうしゃを作ってくれているスタッフのレナちゃんです。

これまで、アートスタジオの内容は私の頭の中で考えて、そのまま提供していたのですが、スタッフが増えることで、一旦外にアウトプットする必要が出てきました。

まず、文章に起こして、それを元に一旦やってみる。

大事とするポイントなどを伝える。

この過程を体験したレナちゃんは、自分も作ってみることがとても新鮮で楽しかったみたいで、大人もやりたい人いると思う、という声で始まりまりました。

そしてこの大人のこどもアートスタジオ、今日来てくれた方は、10年以上も前に私が毎週の如く開催していた美術館ワークショップに来てくれていた子でした。

この話、前にも聞いたことがあるなあと思う方いますよね。

そう、レナちゃんもその1人。

その子は当時バレエをしていたのだけど(外見も全然変わってなくてびっくり!)、今は、こどもたちにバレエを教えているそう。

レナちゃんやその子のように、あの頃、こどもだった子たちが大人になって、自分の選んだ道を進んでいることに、こっそり涙しそうになった。

アートスタジオには、毎月たくさんの子どもたちが来てくれます。

一度きりの子もいれば、たまに顔を見せてくれる子、遠くから毎月来てくれる子。

日々成長していく子どもたちの作りたい気持ち、そういった時期に関われることって、本当に一瞬で、とっても尊いこと。

連れてきてくれる保護者の方々にも本当に感謝です。

子どもとアートと関わって15年ちょっと。たくさんの子どもたちの作りたい時期に関わってきました。


実は今年とっても大きな挑戦をしました。

それは、ずこうしゃと別で運営している筑豊地域の文化振興を目的としたNPO法人アーツトンネルと、ずこうしゃも入っているいいかねPaletteと共同体を組み、先述した大人になったレナちゃんともう1人の子と出会った、田川市美術館の来年度からの運営会社を決めるプロポーザルに手をあげました。

どんな美術館にしたいか、一から館長候補として協力していただいた原田真希さん(元田川市美術館学芸員、現インディペンデントキュレーター)も交えて、本当に頭から煙が出るくらい考えまくって、全ての人に開かれた、とってとても良い美術館像ができました。

結果は残念な結果となりましたが、この経験は今後の私にとっても大きな糧となることは間違いないです。(4月から新しくなる予定の美術館が楽しみ!)

残念な結果を知らされた時、しばらく放心状態で落ち込んでいたのですが、頭の中に一番に浮かんできたのは、目の前の一人一人のこどもたちの顔や作る手でした。

時々思い出す、あの子は今何をしているかな?と。

みんながそれぞれ、何かを見つけて大人になっていってほしいなあと願っています。

一人一人との、その子にとっては忘れてしまうような一瞬の時間を、私はずっと大事にしていきたいなと思ったのでした。

ずこうしゃこどもアートスタジオ

造形教室のウェブサイト